欧州評議会議員総会が決議を採択

 
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 今年4月、欧州評議会(CoE)の議員総会(PACE)は、「欧州評議会加盟国及
びオブザーバー国における死刑:人権の侵害」と題する決議を採択しました
(Resolution 1807(2011)。これは、オブザーバー国であるアメリカと日本、
そして加盟を希望しているベラルーシを対象として、死刑を廃止することに
よって、人権と人間の尊厳を守る民主国家の列に加わるよう促す決議であり
そのルーツは2001年6月の決議(「欧州評議会オブザーバー国における
死刑の廃止」、Resolution 1253(2001)に遡ります。その後もPACEは2003
年10月に同じタイトルの決議を採択、2006年6月には「死刑をいまだ
廃止していない欧州評議会の加盟国およびオブザーバー国に関する議員総会の
立場」と題する勧告を発してきました。

今回の決議では、とくに日本に関して、死刑廃止論者であることを公にする
法務大臣がいながら、秘密裏の死刑執行という形で死刑執行が再開されたこ
とに深い失望を示しつつ、裁判員制度の導入によって、死刑制度の残虐性と
欠陥について世間一般の認識が高まり、廃止が促進されることへの期待を示
しています。日本ではあまり知られていない決議ですが、欧州連合(EU)は
もちろん、欧州評議会による働き掛けも継続しています。国内の運動も引き
続き、国際社会と有効に連携していきたいものです。