キャンペーン賛同のお願い

死刑に異議あり!」キャンペーン賛同のお願い

 

「死刑に異議あり!」キャンペーン事務局
(呼びかけ:アムネスティ・インターナショナル日本、監獄人権センター)

 

 
 1989年の国連死刑廃止条約採択から2011年で22年、すでに世界の7割の国が法律上・事実上死刑を廃止しており、残る死刑存置国は中国、アメリカ、日本など 58ヵ国にすぎません。2007年12月には国連総会で歴史的な死刑執行停止決議がされ、こうした国際世論に押されて中国、アメリカも死刑執行を減少させています。
 
 日本の犯罪発生率は世界的に見ても格段に低く、また犯罪による死亡者数、殺人事件の認知件数はともに戦後最低の水準にあります。日本政府はなぜそうまでして死刑制度を維持しようとするのでしょうか?
 
 死刑が凶悪犯罪に対する抑止効果を持つと実証したデータはありません。2008年3月の土浦事件や6月の秋葉原事件のように加害者が死刑を求めたり、自殺の道連れを求めるかのようにして起こす事件に対して、死刑が抑止効果を持つとは思われません。最近目立つ親子間での殺人事件も同様です。
 
 ごく普通の若者や親子をそのような心境に追い込む社会的な背景が、今の日本には確かにあります。ワーキング・プアや格差社会の問題、10年以上連続で自殺者が3万人を超えている現実がそれです。このような問題をそのままにして、加害者の「自己責任」だけを問うのでは公正な社会とはいえません。
 
 いつの世にも目を蔽いたくなる残虐な事件はあとを絶たず、被害者や遺族の怒りや悲しみの前に時として私たちも声を失います。しかし、どんな残虐な犯罪に対しても、復讐の連鎖からは何も生まれません。加害者を殺すことによって子供たちに「人を殺すな」と教えることなどできません。
 
 人の命を国家が意識的に奪う死刑と戦争は最大の人権侵害です。死刑廃止はあらゆる人の人権が尊重され、貧困や戦争のない成熟した社会への第一歩です。世界の7割の国が死刑なしでやっているという事実は、能動的な市民的の合意とそれに支えられた政治的決断さえあれば、すぐにでも死刑執行を停止し死刑廃止に向かうことができることを示しています。
 
 フィリピン、韓国では市民運動の横断的ネットワークによって、法律上の死刑廃止や事実上の死刑執行停止を実現しています。残存する死刑存置国はアメ リカ、アジア、中東、中央アフリカを結ぶベルト地帯に集中しています。その重要な一角、この東アジアから全市民的な死刑廃止運動の新たな旋風を巻き起こそ うではありませんか。
 
 あらゆる分野の市民団体、宗教団体、各界個人にみなさんに、「死刑に異議あり!」キャンペーンへの賛同をお願いします。