情のある国、台湾ツアー報告
フォーラム90の安田弁護士が「アジア人権学会」の基調講演を語るということでサポーターとして、台湾という日本にとっての「お隣さん」「ご近所さん」に行ってきました。時あたかも、東日本大震災から3ヶ月目の6月11日は、台北駅前で反原発の集会があり「フクシマの国から来た日本人」として、マイクを持たされました。当然日本語で話したわけですが、私の脇に立つご老人が同時通訳してくれましたし、いわゆる「戦前」生まれのほとんどの方々は日本語が理解できるようでした。
台湾では、4年間の死刑執行モラトリアムが破られて、去年(2010年)執行が再開されてしまいました。今年はもう既に去年を上回る執行人数があり、やはり被害者感情が後押ししていると言うことでした(6月時点で確定死刑囚47人)。執行停止期間、犯罪が増えたというデータはありません。2000年前後からの死刑判決の乱発、マスコミによるセンセーショナルな犯人視報道など、日本の死刑情況と酷似している点が多々あります。ただ一点、「何故、台湾では死刑廃止運動に若い人が多いのですか?」という質問に対して「日本には20~30歳台の死刑囚はいないのですか?」と逆に尋ねられました。たくさんいます、と答えると「台湾では、同世代の事件には多くの人が関心を持ちます。それは自然なことですよ・・・」。
台湾では、毎朝毎晩屋台や夜店に繰り出しました。その規模たるや日本で有名な「福岡の屋台」の比ではありません。通りにひしめく何千軒という店に何万人という人だかり。それがほとんど飲食関係。そしてその値段の安さ。おそらく、食事は外で食べるという習慣・文化があるのでしょう。町に活気があり、人々が濃密に触れ合う台湾だからこそ「・・・同世代の事件にはフツーに関心ありますよ・・・」なのかもしれません。
因みに、今回の東日本大震災への国別義援金・救援物資は、台湾からが断トツの額と規模だと聞いています。(「志」に額の多寡は失礼ですが)。来年か再来年あたりの「死刑廃止アジアフォーラムIN台湾」で協力してお返ししたいと思います。(友野重雄)