死刑廃止国際条約発効20周年記念集会&デモ

 7月9日(土)、死刑廃止国際条約発効20周年記念集会「いま、私たちはどこへ向かうべきか」が日本大学三崎町キャンパスにて開催されました。内容は、船山泰範さん(日本大学法学部教授)の挨拶、阿部浩己さん(神奈川大学法科大学院教授)の講演、雨宮処凛さんと太田昌国さんの対談でした。船山教授は、「希望のもてる刑罰を」と題し、『福堂策』を紹介されました。『福堂策』は吉田松陰が更生について論じたものです。阿部教授は、廃止に向かう世界の潮流についてまとめてお話しくださり、歴史の流れがよく分かりました。1957年には10カ国だった死刑全廃国が2010年末には96カ国になり、きわめて明確に世界は死刑廃止へ向かっています。雨宮さんと太田さんの対談は、やはり原発の話が中心に。「今回の震災・原発事故で国家が人の生命、安全の保持に対して冷酷であることがよく分かった。それは死刑制度にも通じる」「これに抵抗し、なおしていくことに今後の希望を見出したい」といったことが話されました。

 しかし、7月9日現在、死刑確定囚は121名と戦後最大の数になっています。油断することなく常に死刑廃止を訴えていきたいと思います。集会後にはデモを行いました。夏の暑い熱気の中、絞首台のパフォーマンスも行いながら、日本と世界の死刑廃止を訴え、1時間弱の行進をしました。
(アムネスティ日本・死刑廃止ネットワークセンター東京 遠藤賀子)