法務省「死刑の在り方についての勉強会」第5回会合

 4月11日、法務省で「死刑の在り方についての勉強会」の第5回会合があり、
死刑制度に関するヒアリングが行われました。意見を述べたのは、櫻井よ
しこ氏(ジャーナリスト)、アムネスティ日本、椎橋隆幸氏(中央大)の
三者です。今回の報告では、このヒアリングのうち、アムネスティ日本の
部分について報告します。

法務省からは、江田法務大臣、小川法務副大臣、黒岩政務官の3名。そして、
官房審議官(刑事局担当および総合政策総括担当)、刑事局長、刑事局総務
課長、刑事法制管理官、矯正局長、矯正局総務課長、成人矯正課長、保護局
長、保護局総務課長が出席しました。

アムネスティの発言の持ち時間は25分で、その後で質問を受ける時間が15分
という時間割でした(アムネスティから法務省に質問を行う時間は設けられ
ませんでした)。

アムネスティ側では、まず「アムネスティはあらゆる事例で、例外なく死刑
に反対する。なぜなら、死刑は世界人権宣言にある「生きる権利」を侵害す
る、残虐で非人道的な刑罰だからである」と、自らの死刑廃止の考えを述べ
た上で、死刑廃止に向かう世界的な潮流や、日本の死刑制度が抱える問題点
などを指摘しました。

特に日本の死刑について、死刑囚が独房に投獄され外部との面会が厳しく制
限されていることや、精神障がい者や高齢者が処刑されていること、袴田巌
さんのように深刻な精神障がいに苦しむ死刑囚がいる現状などについて、関
連する国際人権基準に違反している、と強く指摘しました。そして、実際に
死刑囚としての非人道的な処遇を体験した方の話を直接聞くべきである、と
も指摘しました。

江田法務大臣を始め、勉強会の出席者は、こちらの発言を真剣に聞き、配布
資料にも目を通している様子でした。しかし、勉強会の今後の予定は未定で
あり、今回のヒアリングがどのような意味を持つのかは、不透明なままです。

勉強会での発言の詳細については、今後、法務省の「死刑の在り方について
の勉強会」のサイトに掲載される予定です。

※アムネスティ日本が行った意見陳述の詳細については、下記をご覧下さい。
http://ameblo.jp/amnesty/entry-10859555682.html