ニューメキシコ州が死刑を廃止、知事が死刑廃止法案に署名
日付: 木曜日, 2009-03-19
日本時間の3月19日朝、ニューメキシコ州のリチャードソン知事が、死刑を廃止し、仮釈放のない終身刑に代える法案に署名しました。先に下院で可決されていた法案は13日に上院でも可決され、あとは知事が署名するか否かにかかっていました。
知事は民主党員ですが、強固な死刑存置派として知られていた人です。しかし、知事自身がコメントしているように、無実の人を死刑にする可能性があり、そしてどんなに改善を重ねてもそれを防ぐ完璧な司法制度はありえず、現実はそれに程遠い実情にあることを重視し、署名に踏み切りました。知事は今回の署名に先立って、難しい問題なので皆さんの意見を広く聴きたい、と市民の意見を募集しており、こうした状況を受けて、地元メディアはWeb上で「知事は廃止法案に署名すべきか?」に関する投票を実施。日本からも多くの皆さんがこのワンクリックアクションに参加しました。結果はYesが65%、Noが35%。知事はすでに署名の意向を固めていたのかもしれませんが、署名しやすい環境づくりの一端に寄与したといえるのではないでしょうか。
知事は「死刑は法執行のひとつの道具ではある。しかし唯一の道具ではない」、つまり、死刑なしでもやっていける、と明確に言い切っています。そして国際人権法の観点からも米国のみが取り残され、死刑を維持する現状は決して誇れるものではない、とも述べています。