米国イリノイ州で、死刑廃止法案が可決

 
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2011年1月11日、米国イリノイ州議会上院は、32対25の票数で、

死刑廃止法案を可決しました。この法案は1月6日に同州の州議会下院で
採択され、上院に送られていました。この死刑廃止法案は死刑を廃止し、
死刑事案への対応のために確保されていた予算を、殺人事件の被害者遺族
への支援および法執行官養成のために支出するよう再配分する内容です。

イリノイ州のパット・クイン知事がこの法案に署名すれば、イリノイ州は
米国での16番目の死刑廃止州となり、2007年のニュージャージー州、
2009年のニューメキシコ州に引き続き、2007年以降に死刑を廃止する
法律を制定する3番目の州となります。現時点では、州知事がこの法案に
署名したというニュースは入ってきていません。州知事は、法案に署名し
てこれを成立させることもまた拒否することもできますが、彼が60日の
期間内にこの法案について決定を下さない場合でも、法律として成立しま
す。

さらに、今回のイリノイ州以外にも、コネチカット、カンザス、メリー
ランド、ワシントン、モンタナの各州でも、死刑廃止法案を州議会に上
程する動きが起こっています。モンタナ州では、2月15日に死刑廃止
法案が州上院で可決され、下院に送られています。死刑大国と言われ続
けてきた米国ですが、少しずつ変化の兆しが現れはじめています。