中国政府が日本人死刑確定者1名の死刑を執行

 
日付:  火曜日, 2010-04-06
 

 4月6日午前9時30分(日本時間午前10時30分)、中国の大連拘置所の関連施設で、麻薬密輸罪で死刑が確定していた赤野光信死刑囚(65歳)の死刑が執行された。執行方法は薬物注射によるとみられる。日本外務省によると、第二次世界大戦後に海外で日本人が刑事犯として死刑執行された例はこれまでにないという。

 中国政府は4月5日までに赤野死刑囚の執行を行うと通告していたが、5日午前に赤野死刑囚と親族との約1時間にわたる面会を認め、予定より1日遅い執行となった。

 日本政府は通告を受けて岡田外相が「死刑執行が日本の世論に与える影響」について駐日中国大使に懸念を伝え、訪日中の菅副総理が同様の懸念を表明したが、死刑執行中止の申入れなどは行っておらず、邦人の死刑執行回避の外交的努力はほとんどなされなかった。

 これは日本政府自身が、中国人を含む死刑の執行を現に行ってきたことも影響していると思われる。しかし、戦後初めての外国における邦人の死刑執行という深刻な直面して、自国の死刑制度に対する従来の姿勢の変更を含めて、新たな対応を取れないというのは問題である。

 薬物犯罪に対する中国の厳罰主義についても、死刑に関する国際人権基準に照らして死刑が許されないことを、日本政府としても言うべきである。

アムネスティ・インターナショナル日本の声明(4月6日)

監獄人権センターの声明(4月6日)

日弁連のコメント(4月6日)